オタクが歩く四国

四国八十八ヶ所歩いた記録です。構築中。

28日目(3/2) マリーナシーガル~ホテルバリ・イン

7:00過ぎに出発。
雲はありますが雨が振りそうということはない天気。

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昨日の寒さはどこへやら、心配していましたが逆に温かいぐらいのなか、引き続き国道196号を進んでいきます。
30分ほど歩くと、前方に大きなプラントが見えてきました。

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太陽石油という石油元売会社の四国事業所だそう。

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顔文字っぽいマークのガソリンスタンドをここまでたくさん見てきましたが、ここの系列のもののようです。
ちょうど通勤時間帯で事業所の方へ入っていく人も多数。
太陽石油の事業所を過ぎるとちょっとした峠で、途中には「地下石油備蓄基地」という看板が出ていて、とにかく石油に縁のある地域のようです。
この辺りで2人組のお遍路さんを追い抜きました。
どうも同じ宿だったようです。

その先しばらく海を見ながら進み、旧大西町のエリアに入っていきます。

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星の浦海浜公園というところでトイレ休憩とし、その先で国道と別れることに。
地図上では国道と別れる道が正しく、また距離も近いように見えました。
辺りは工場街の風情。
造船所などがあるようです。

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国道を外れてから道標の類がないので変だなとは思っていましたが、やがて決定的に道を間違えてしまったようです。
歩いているとトラックが停まって、「道間違っとるでー」と声をかけられました。
幸い戻る距離は大したことなく、影響は軽微でした。
あそこで声をかけてもらえなかったら少々ひどいことになっていたかもしれません。
わざわざ止まってくれて道間違いを教えてくれるとは、四国というのはすごいところだと思います。
「同行二人」の地図の大西町に入ってから国道を外れるルートも、結局国道に合流するので、横着しないで国道を行くほうがいいのかもしれません。
国道やら県道やらを行くほうが横着になりそうな気がしますが、ここでは逆でした。
札所への看板が出てきたところで国道と別れます。

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市街地の外側を通る国道に対し、今治市の中心部へ抜ける道であるためか通行量も多く、その上歩道がないのでちょっと歩きにくい道。
やがて出てきた道標の方を見ると、もういい加減慣れましたが本当に行っていいのかという雰囲気。
私道のようなところを抜けていくと、五十四番札所延命寺です。

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09:59着。
山門は今治城の城門を移築したものなのだとか。
境内は工事中で、納経所はプレハブでした。
次の札所へはまず丘を越えますがなんと墓地の中。
慣れたつもりでしたが通っていいのだろうかと思わせる道はまだまだありました。
墓地を抜けると前方には高速道路が横切ります。

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しまなみ海道こと西瀬戸自動車道のものです。
いくつもの橋で島を結ぶ道路ですが、橋は自転車や徒歩でも渡れるようになっていて、尾道から今治まではサイクリングロードとしても有名です。
あちらの方へ歩いていけば本州まで行けるのか、と不思議な気分になりました。
自転車で渡ったことはありますが、歩いてみるというのも面白そうです。
70kmほどあるので一日ではきついですが。
しまなみ海道の下をくぐるともう一つ丘を超えますがまたも墓地の中を行く道。
途中には軍人の墓地などもありました。
墓地を抜けるといきなり市街地。

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姫坂神社という立派な神社を横目に見て、予讃線の高架をくぐります。

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雰囲気が完全に街のものになってきて、なんともほっとするような気持ちに。
とは言っても今治、何度か来ている街ですが街中の人通りはあまり多くなく(車通りは多いですが)、いささか寂しいところではあるのですが。
やがて国道317号線にぶつかると、次の札所はすぐそこ。
その手前に、別宮大山祇神社(べっくおおやまずみじんじゃ)という神社があります。
しまなみ海道沿いの大三島という島に大山祇神社という神社があるのですが、ここはその神社の別宮(出張所のようなもの?)で、この神社に隣接しているのが五十五番札所南光坊。

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山号を別宮山というだけあり、この別宮大山祇神社の別当寺だったお寺のようです。
11:08の到着。
境内は広く、地元の方の憩いの場のようでした。
大谷墓地を抜けてからずっと北上してきましたが、今度は南下していくことになります。
今治の駅前を抜け、更に南下。

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今治といえば鉄板で焼く独特のスタイルの焼き鳥、そして最近では焼豚玉子飯というB級グルメで名を馳せるところ。
どっちも食べたことはあってとても美味しいものですが、一番栄えている辺りは全くスルーしてしまうので立ち寄れません。
特に焼き鳥はお酒飲みつつ食べるものですし、禁酒している今行くわけにはいきません。
今治名物に思いを馳せていたためかお腹が空いてきました。
国道との交差点にあったコンビニでおにぎりとフランクフルトを調達。
道はそのままずっと南下するのですが、反対側からご夫婦のお遍路さんが。
逆打ちかな?と思っていたら「57番はこちらでいいのでしょうか」と聞かれました。
どうやら道間違えのようで、反対方向であることを伝え、56番の門前までしばし一緒に歩くことに。
道すがらちょっと話をしただけではありますが、色々な思いで回る方がいます。

自分から他人に話すというのはともかく、他人に遍路に出る理由を軽々しく聞くものではないというのは確かにその通りだと思います。

やがて五十六番札所、泰山寺に到着。

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駐車場があるのでスルーしてしまうことはないと思いますが、道路からはちょっと奥まったところにありました。
12:13の到着。
真新しい境内で、お参りを済ませてベンチで食事。
日が当たって暑いぐらいになっています。
住宅街を抜け、蒼社川に出ました。
渇水期の遍路道はこの川を横切るものだったと言いますが、今は河原に降りる道もありません。

川を渡る道標が現存しています。

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土手沿いに上流へ向かい、橋を渡って更に上流方向へ。

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周りの景色も少し山っぽいものに変わってきました。

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またまた道標に従って細い道を行くと、五十七番札所栄福寺。

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13:24着。
納経を済ませて少し休んでいると、「歩いてるんですか?」と声をかけられました。
大学生のお遍路さんで、自転車で逆打ちをされているそうです。
逆打ちと行っても順番は結構バラバラなようで、次は58番へ向かうとか。
自転車と歩きでは通る道が違うのでその場ではすぐに別れました。
次の札所はちょっとした山の上で、明日待ち構える難所の前哨戦のようです。
札所を出て一段上がったところには大きな溜池が。

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そこから林の中を登って行くと車道に出ました。

ここからはこれを行くようです。

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看板には「トホ40分、クルマ5分」とあり、上り一辺倒の道。
上りなので自転車を押していた先ほどの自転車遍路の方と再開して、しばらく一緒の道行きになりました。
いろいろと話しをしながらの道。
たまにはこういうのもいいかもしれません。
14:20、五十八番札所仙遊寺の山門に到着。

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ここも山門からが長いお寺で、グネグネ曲がる石段を登っていきますが、手すりがところどころひしゃげていてなんとも雰囲気があります。
仙遊寺には宿坊があって、初日に泊まった安楽寺と同じく温泉つき、さらにここは精進料理が有名なのだとか。
スケジュールの都合上、私は下山したところにある宿を取っています。

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駐車場から今治市外を見下ろす眺めのいい車道を通って山門まで降りると、朝出会ったふたり組のお遍路さん。
ここの宿坊に泊まるそうです。
山門から少し降りたところで次の札所への山道が分岐していて、自転車のお遍路さんは今治の市街地の方へ向かうということで、ここでお別れです。
一人静かに下山の道。

地平に降りてきて、住宅街を抜け、国道を渡り、更に住宅街を行きます。

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明日打つ予定の60番札所は、四国最難所とも言われるところで、今日の宿からは20km地平を歩いてからの登山となります。
そのためできるだけ早く出発したいので、できれば今日のうちに59番を打ってしまいたいところ。
時間的には十分行けそうですが、2km以上打ち戻りとなるのがネックです。
59番の先にも宿があるにはあるのですが温泉地であるため、お値段もそれなりになってしまうことから諦めざるを得ませんでした。
嘆いていても始まらないので59番目指して進みます。
明日を無事終えられたら香川に入ってからの宿を予約しようと思った時、それによって結願までのスケジュールが確定するということに気づいて、「終わり」が見えてきたのだと思わず足が止まりました。
この時の感触は今でも記憶にあります。
県道156号に出るとものすごい交通量。
歩きにくくて大変です。
途中からは歩道が出てきて、その先で県道から別れ、16:20、五十九番札所伊予国分寺に到着。

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なかなか大変でしたがどうにか目標は達成しました。
打ち戻りの道は混雑する県道を避け、ダイレクトに国道に出て歩くことに。
道中のローソンでおやつと夕食を調達し、先ほど国道を渡った交差点を越えて今日の宿ホテルバリ・インへ。
「同行二人」の地図では「バリーイン」となってますが、バリ・インが正しいようです。
町外れの国道沿いという周囲に特別な何かがあるわけでもない立地ですが、工事関係の方が多数泊まっているようでした。
なお、宿から国道を挟んだ反対側にローソンがありますが、二桁国道で信号も歩道橋もないのであてにし過ぎないほうが良さそうです。
明日からはしばらく民宿系の宿なので、ホテルを堪能しておくことにします。