オタクが歩く四国

四国八十八ヶ所歩いた記録です。構築中。

27日目(3/1) 東横イン松山一番町~マリーナシーガル

今日から3月。
月の変わり目で松山という地点なのは偶然以上のものを感じます。
7:20ごろ宿を出発。
通勤通学時間帯に入り始めた松山の街中を抜けていきます。

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松山といえば路面電車ですが、北側の区間は道路上ではなくちゃんとした線路*1を走ります。
この専用軌道の線路が見え隠れする道を歩き国道196号線に出ると、それとは別の線路が。
松山駅前の2つ隣、西堀端で分岐して松山城の外堀西側を北上する支線のものです。

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終点は本町六丁目で、ここまで見てきた専用軌道区間の路面電車と接続している駅ですが、線路はつながっていません。
雑ですが図にするとこんな感じです。

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この先終点まで長い付き合いとなる196号を引き続き歩きます。

大きな道路の通勤風景ということで5日目に歩いた徳島市内の様子を思い出しました。

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どういう性格の路線なのかはわかりませんが、観光バスのような大型のバスも通勤に使われているらしく、何度かすれ違いましたがどれも混雑しているようです。

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途中で左折して国道から離れる必要があったのですが本来の分岐をうっかり見逃してしまったらしく、慌てて地図を見ながらリカバリを図り、住宅の並ぶ中を抜けましたが出た先は一つ飛ばした53番札所のそば。
52~53番は県道183を行けばよく、距離も短いのは不幸中の幸いで、往復することにはなりますが県道を歩きます。
標識に従って県道を離れると門前町の雰囲気。

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五十二番札所太山寺には9:26到着。

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このお寺は山門からが長いところで、急坂を10分以上は登ったでしょうか。
本堂が国宝指定されており、なるほど瓦ぶきの立派なお堂でした。
53番へは来た道を引き返すだけ。
今日は朝からずいぶんお遍路さんを見かけます。
春と秋が遍路のシーズンとされており今日からシーズンインということ、そのうえ松山という区切りにちょうどいい位置ということもあるのかもしれません。
そういえば最初の日、駅から霊山寺に向かう途中でお接待してくださった方が3月になると急に人が増えると言っていました。
53番への道中、毎月数日間だけ開けているというお接待所で寄っていきませんかと声をかけられたのでお言葉に甘えることに。
お茶をいただき休んでいると、次から次にお遍路さんがやってきます。
なるほどこれがシーズンなのかとびっくりしました。
お接待所を出て札所まではすぐ。
五十三番札所円明寺には10:58の到着。

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町中に溶け込んだ小ぢんまりとしたお寺ですが雰囲気の良いところでした。
次の札所は今治市内となります。
今治は大きな街で宿も多く泊まるには困らないところで、頑張れば今日中に歩ける距離ではあるのですが、町の入り口に札所があってそこに17:00までに着こうとすると相当大変です。
そのため今治市街での宿泊はあきらめ、今日は途中の菊間という町まで歩くことになっています。
予讃線の線路を渡るところでちょうど岡山と松山を結ぶ特急しおかぜ号(時間的に16号でしょうか)に遭遇。

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何両繋いでいるかなとなんとなく癖で数えてしまいましたが、考えてみると列車の量数を数えることなどここまで一度もありませんでした。
道はやがて県道347号線へ。

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堀江の町まで来ると、瀬戸内海が見えました。

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このとき、四国の東岸から南岸、西岸を通ってついに北岸まで来たという感慨で思わず涙が。
今日はこの後、ここで感じた嬉しさから幸福感でいっぱいで、四国に来てから一番楽しい日だった気がします。
昨日の石手寺での出来事もあって、もうお寺などどうでもいいからずっと歩いていたいと思いました。
堀江というのは駅で言えば特急も止まらないところですが、本州と四国の間に橋が架かる前は広島県の仁方から航路が設定されており、最長片道切符*2に四国を組み込むうえでは外すことのできないものでした。
現代においては本州と四国を結ぶJRの路線は瀬戸大橋線しかないので最長片道切符に四国を組み込むことはできなくなっています。
やがて道は瀬戸内海沿いに。

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これが本当にいい道で、山があって線路があって道路があって歩道の向こうは海、それ以外何もない、気持ちいいという以上の表現がない道でした。
いつしか道は県道179号線に入り、海が見えなくなって町中を行きます。
北条の町へ入ると立岩川を渡り、国道196号線に合流しますが、ここで国道を松山方面へ逆行する形で内陸に入っていきます。

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予讃線の線路をくぐり、少し行ったところで国道から離れて番外札所である鎌大師のほうへ。
その先は車道ですが結構きつい坂を上ります。

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二つの山のちょうど中間の位置にある峠を越えると海が見えてきます。

下り切ってまた予讃線の線路を渡ると国道196号線に出て、今治市へ。

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やがて瓦の工場が出てくると菊間の町。
菊間は鬼瓦の名産地なのだといいます。

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16:00頃には宿に着きました。
今日の宿マリーナ・シーガルはボートの整備工場の真上にあります。
入り口が完全に工場でちょっとわかりにくいですが、立地上素晴らしいオーシャンビュー。

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部屋の設備も十分で、よい宿です。
山側にも部屋があるようなので、そちらになるとオーシャンビューではなさそうですが。
昼食が軽かったのでおやつを買いに出たのとその後夕食を買いに出たのとで二度外出していますが、冷たい風が吹き付けて強烈な寒さでした。
明日もこんなだったらきついなあと思いつつ休みます。

*1:専用軌道と呼ばれるもので、都電荒川線を思い出していただければ

*2:JRで最も長い距離を経由する乗車券を作る、あるいは乗るという趣味。詳しくはググってください