オタクが歩く四国

四国八十八ヶ所歩いた記録です。構築中。

あとがき

まずはここまでご覧頂きありがとうございました。

こうして情報を残すことが私にとっては歩く上でインターネットから受けた恩に対する恩返しのつもりです。

予約投稿にしているので公開は数日後になりますが、これを書いている今、私は高知県に来ています。

何日目だったかの記事でやろうと思った「遍路で出来なかったことツアー」ですが、その後の行程でやることが雪だるま式に増えていってしまい、結局何回か(で済むのかどうか)の分割でやることになりました。

今回はその2回めにあたります。

この話も追々していければいいなと思いますが、38日分の記事を毎日更新できるよう苦心してきてだいぶしんどいので、まずは本記事にて一旦終わりとさせていただきます。

遍路を終えての感想

一言で言えば楽しかったです。

辛いことも楽しくないこともそりゃあたくさんありましたが、それでも終わった時には「終わってしまった」という思いが去来しました。

「お四国病」という言葉があります。

遍路という非日常を体験し、日常に戻ってもそれが忘れられないことを揶揄して言う言葉で、「信心の発露である遍路を病に例えるとは何事か」という向きもあるようですがそれはそれとして、こうして2016年3度めとなる四国の土を踏んでいる身からすればこれも一種のお四国病なのかもしれません。

だいぶ落ち着きましたが、日常に戻って暫くの間はうっかりすると「次はこうやって回ろう」とか「あそこでここに泊まっておけばよかったか」というようなことを考え始めていて、少なくとも次の機会は当分ないと思い出す、というのを繰り返していました。

そんなことを考えるのだから二巡目をするつもりなのかというと、今のところは行こうとは思っていません。

お経まできっちり唱えておいて言うことでもない気はするのですが、お遍路というのは結局宗教的行為で、どう薄めてみたところでそれを変えることはできません。

誰でもウェルカムという顔をしておきながら実際には信心を強要される、というと大げさな表現ですが、信心を前提として成り立っているところにズレを感じることが多く、あとに残るのはモヤモヤとした不快感だけ、ということがありました。

信心から回るのでない限りこれは付きまとってくるであろう問題で、信心で回ろうと思うようにならなければ二巡目に行く気にはならないのではと思っています。

 そういう意味では次に行く時こそが本当の意味で「遍路」となるときなのかもしれません。

これだとつまらなかったみたいに見えるのでフォローですが、歩くことそのものはとても楽しく、特に愛媛県に入って以降の 多くの時間は歩ける楽しさを噛みしめる幸せなものでした。

ご利益の話

「行って何かご利益があったか」、ということを聞かれることが何度かあったのでその辺を少し書きたいなと思います。

帰ってきて以降、むしろ不幸な出来事が続いていたりするのでけっこうきついところなのですが特に何かを望んで歩いたわけではないのでこれは無関係でしょう。

関係があるというなら仏を呪わなければならなくなってしまいます。

確かに望むことはなかったはずなのですが、終わってみて思ったのは「歩くことそれ自体が望みだったのだ」ということ。

2ヶ月空けても無事(?)復帰できた職場、1ヶ月以上空けていても出発した時と同じだった家の中、同じく1ヶ月以上の間、戻らなければならないような大事件が起きなかったこと、言ってみればこれらがご利益そのものだったのではないかと感じています。

多少言葉遊びになっている感はありますが、実際のところ何かを願って回れば応分の報いは得られるのではないか、とは思いました。

旅行記を書き終えての感想

何がつらかったって日常生活を送りながら書くことです。

書くこと自体は好きですが何分書かなければならない内容が多いのと、いくら記憶を寝かせたほうが良いと言っても寝かせすぎれば忘れてしまうということで最初のうちは仕事帰りに喫茶店でテキストを起こす日々でした。

公開日はいろいろあってこうなったわけですが、そこからは書き溜めたテキストを推敲しながら*1記事に起こすのと、そうして減った分のストックを作るのとを同時並行で進めていかなければならず、特に旅行前などになると記事のストックを大量に作っておく必要があって大変でした。

実際に歩く→テキストに起こす→記事化の流れを踏んだことで、自分の中では3回同じ体験をしたかのような感覚になっています。

おかげで3回結願の時と1番に戻ってきた時の感触が思い出されました。

苦心しながらもやってきたことに対する報酬としてはこれは上々なのではと思います。

「遍路はいいぞ」とは言えないですが

上の方にも書いたことではありますが、信心から回るのでなければ嫌な思いをすることは少なからずあるのではないかと思うので、興味のない人にまでおすすめすることではないなと感じています。

ただ、やってみたいと思っているならそれはぜひやってみたほうがいい、とも思います。

個人的には、体験コース的に4~5日使って徳島市まで歩くのがいいのではないかなと。

私のように、「やるなら通し打ちじゃなきゃヤダ」という向きにはなんとも言えないですが。

徳島市までの間は宿の差はあれど行程の個人差は生まれにくく、4~5日で行けるものと思います。

この区間だけでも、例えば徳島市街まで歩くなら17番井戸寺までと、全体の5分の1程度の札所は打てるので札所でやることはだいたい身につきますし、「一番きつい」と言う人も少なくない焼山寺という難所も経験できます。

序盤のうちは道標も多いし時期によっては歩く人も多いので迷いにくく、人家も多いので「遍路として見られる」体験もでき、ビジネスホテルも少ないところなので遍路宿を体験することにもなるでしょう。

とにかく遍路中にする経験のけっこうな部分が入っているので、体験ツアーとしてはいい具合ではないかと思った次第です。

おわりに

あとがきと言うには随分長々と書いていますが、だいたい言いたいことは言えた気がします。

この記録が誰かの何かの参考になることを願って、ここで一旦筆を置きたいと思います。

 

*1:あんまり出来てない自覚はあります、その辺も追々