オタクが歩く四国

四国八十八ヶ所歩いた記録です。構築中。

36日目(3/10) 大窪寺~旅館八幡

大窪寺を打ったことで四国八十八箇所巡拝という意味ではこれで終わりなのですが、ここから1番札所である霊山寺まではわずか40kmほど。
40kmという絶対値は小さくないですが、ここまで歩いてきた道のりを考えれば「わずか」と言っていい距離でしょう。
八十八箇所を打ち終わり、最初の札所へ戻って参拝することを「お礼参り」と称しますが、多くの人が1番から打っているということから1番札所が2回分の納経料を得るための陰謀だ、という意見もあるのだとか。
88番を打ったあと1番まで行くかどうかは動機が信心からであるかどうかによるのかな、というのが個人的な印象で、信心からであれば八十八箇所が大事なのであってそれこそ陰謀説を唱えることもあるのでしょう。
実際、信心深い様子だったながお路の女将さんは「1番に行く人の気が知れない」というような話をされていました。
私は歩くこと自体が目的なので、ここまで来て四国一周しないというのはもったいなさ過ぎる話に感じられます。
そんなわけで、ここからは一種のボーナスステージ。
1番以外は札所のことを考えることもなく、ひたすら歩くだけ。
ここから1番へはだいたい3つのルートがあって、それぞれ10番、3番、1番の近くに出るものです。
後ろの2つについては一旦海沿いまで下ってそこから峠を越えるルートなので距離以上に大変そう。
まっすぐ下ってあとは平地というコースになる10番の近くに出るルートを取るのがポピュラーではあるようです。
今日の宿は10番の近くに取ってあるので、そこまで20km程度歩かなければなりませんが、その前に腹ごしらえ。
ここの門前には「八十八庵」という打ち込みうどんといううどんを名物とする店があります。
おみやげを買って宅配の手配をしてから待望の打ち込みうどん。
奮発して猪肉入りを注文しました。

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なるほどこれは美味しいもの。
うどん県にありながらさぬきうどんとはだいぶ属性の異なるもので、ほうとうに近い印象でした。
体も温まって、13:10ごろ下山開始。

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国道に合流して少し行くと東かがわ市へ。

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この辺りの国道は整備されたばかりのようで、「同行二人」の地図とはだいぶ様子が異なります。

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四国参りはどの札所から始めてもよいものなので、お礼参りではなく純粋に88番から1番へ向かうという人のためなのか、道標が設置されているのはとてもありがたいです。

やがて国道を離れて細い道へ。

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14:04、徳島県阿波市に入りました。

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看板は「市場町」となっていますが、これは合併前のもののよう。
メインルートでないので更新費用を浮かせたのかもしれません。
やがて県道2号線に出ると、しばらくはひたすらこの道を行き、徐々に高度を下げていきます。

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途中、「犬の墓」というすごい名前のバス停が。

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弘法大師が連れていた愛犬を葬った場所であるということに由来する、付近の地名からつけたバス停名のようです。
やがて前方に徳島自動車道の高架が見えてくると、覚えのある雰囲気。

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位置としてはまだ歩いたところではないのですが、地形的なものでしょうか、とにかく「来たことがある」と強く感じさせるものでした。
10番札所へは途中で県道から離れるようですが、私が行きたいのは10番から降りてきた先、ということで引き続き県道を歩きます。

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日開谷川という川沿いを下って行き、やがて県道12号へ。
1番札所へ繋がる道に出てきました。
そこからは県道沿いに歩き、17:20頃に今日の宿となる旅館八幡に到着。
ちょうど2日め、昼食をとったうどん屋に併設されている旅館です。
そしてこの旅館が面している交差点で県道12号を渡って藤井寺を目指して行ったのでした。
旅館に入る前にその交差点へ。
17:22、歩いてきた道がつながった瞬間です。

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これで四国一周としてもよいのかもしれませんが、まあここまで来て1番に行かないというのも嘘でしょう。
旅館に入ることにします。
大浴場があってトイレは部屋ごとにあるという考えてみればこれまでなかったタイプの部屋。
食事はとても美味しいものでした。
同宿のお遍路さんが私を含めて4人。
遍路話に花が咲きます。
遍路の話は遍路同士でないと通じないところは確実にあって、そういう意味で話し相手を求めて四国を回る、という要素もあるのではないかと感じました。
そのへんはなんとなくオタク同士の会話に通じるところがあるような、そんな気も。
18:40からという夕食でしたが、気がつけば20:00を軽く回っています。
散会するとなんとも静かになりました。
霊山寺まではあと20kmほど。
明日の夕方には四国を離れます。