オタクが歩く四国

四国八十八ヶ所歩いた記録です。構築中。

11日目(2/14) ホテルなはり~ビジネスホテル弁長

相変わらず眠いながらも7:15ごろ出発。
雨は上がっていますが風が少々あります。
今日も序盤は国道を延々歩く道。

奈半利の町を抜け、奈半利川を渡ると田野町に入ります。

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さっそく土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の橋梁と並走し、その先で交差、少し行ったところにあるのが田野駅で、道の駅が併設されています。

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高知県最初の町だった甲浦までは阿佐海岸鉄道が通っていますが、国道からはまったく見えなかったので、実質的には高知県に入って初めて見る鉄道路線ということになります。
2002年の開通なので鉄道によって発展したところというよりは発展していたところだから鉄道を通したものと見え、昨日までの道が嘘のような町中です。
田野町はあっさりと通過し、8:01には次の安田町に入りました。

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安田町に入ると、国道からいったん離れて旧街道の趣を感じさせる道を行きます。
えらく川幅の広い安田川という川を渡ると、その先に土佐鶴酒造の本社が。

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高知が酒どころなのは知っていますが、高知のお酒を飲む機会があまりなく、土佐鶴も銘柄として知っているだけですが、それでも知っているものが出てくるのは何となくうれしいもの。
町中を抜けて田園地帯に入ると、次の札所への案内看板が出てきて、ごめん・なはり線の高架をくぐると道が登りに切り替わります。

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札所までは3.2kmとのこと。

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序盤は多少緩やかでしたが、畑のある中を抜けるといよいよ本格的に山道になります。
この登りは通称「真っ縦」と言われ、車道もヘアピンカーブに次ぐヘアピンカーブでつづら折りの激しい道。
つづら折りをショートカットするように登山道がありますが、かなり強烈な道です。
ここまでの疲労に加え、昨日の雨のダメージがあるのか朝から足が思うように進んでいない感があって、それゆえにきつく感じられたところはあるのかもしれません。
どうにかこうにか登り切ると二十七番札所、神峯寺(こうのみねじ)。
9:54に着きました。

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3.2kmの看板を通過したのが8:50分だったので登るのに1時間ほど要したことになります。
さて、山門を入ると本堂および大師堂へはさらに階段を上ります。
納経を済ませ、一休み。
気が付けば空は晴れています。
納経所の前に「神峯の水」という湧水があり、いただくことにしました。
今日の札所はここだけで、宿まではあと12km程度なので、時間にはずいぶん余裕があります。
距離だけで言えばもっと先に行けるのですが、その先かなり歩かないと宿がないという場所なので、こうなりました。
少々ゆっくりしてから出発。
真っ縦を今度は下っていきます。
登りもきつかったですが、下りも来た道を戻る徒労感も手伝って大変きつい道のりです。

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八十八箇所回り終わった後、「どのお寺が一番きつかったか」と問われれば真っ先にここがでてくるぐらい大変なところでした。
さて、行きにも目に着いてはいたのですがこの案内看板。

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新しくできたと思われる農道を行くように案内しているのに対して、歩きはごめん・なはり線と交差した辺りの唐浜というところまで戻れという書き込みをしてあります。
まず公的に作られた看板に対して落書きしている時点でアウトでしょう。
そして、道というのは移り変わっていくもの。
これを書いた人は国道55号を使わずに海岸を歩いて室戸へ行ったのでしょうか。
こうして歩いている道とていつできたものかわかったものではないし、時代時代で遍路の歩く道は変わっているはずです。
まったく無関係な変な場所に出てしまうというのであれば注意喚起も必要でしょうが、これはそういうものには見えません。
控えめに言って信心の強すぎる人の仕業ではないかと思いますが、あまり褒められた行いではないのではと思います。
そういいながらもこの農道を行かず、来た道を唐浜まで引き返したのですが、とてもモヤモヤしたものを抱えることになりました。

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地平まで降りてきて、ごめん・なはり線の高架を眺めながら平行に伸びる道を歩きます。

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やがて道は国道55号に合流、この道を行きます。

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12:27、安芸市に入りました。

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下山駅の入り口を過ぎると、国道は新しくできたトンネルに向かいますが、なんとこのトンネルには歩道がないとのこと。

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歩行者は旧道を行くように案内が出ています。
旧道はこれはこれで海を眺めながら歩けるいい道でした。

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神峯寺を出てからこちら無休憩で歩いていて、いい加減座って休みたいところ。
ようやく現れた道の駅大山で休憩します。
せっかくの道の駅なのに現国道はトンネルで山の中をぶち抜いてしまっていて道の駅を通らないという何とも妙なことになっていますが、旧道とて交通量はそこそこあるのがせめてもの救いでしょうか。

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国道に合流し、左手にごめん・なはり線が見え隠れする中を歩いていきます。
安芸川を渡ると安芸の市街地。

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コンビニで昼食を買い込んで今日の宿、ビジネスホテル弁長に入ります。
予約したときに「和室になるがよいか」と聞かれていて、部屋に入ってみるとなるほど布団の敷いてあるツインルームでした。
広いしユニットバスだしでネット回線がないことを除けば(全体としてみればないところのほうが多いですが)文句のないところで、ゆっくり休むことができました。
夕飯を買いに出たところ、昼間あれだけ晴れていたのにまたも雨で、傘を持って出なかったので少々濡れてしまいました。
室戸以来の市であり、ごめん・なはり線の半数の列車がここ止まりとなるところなので(鉄道ベースの判断で恐縮ですが)それなりの規模の町というイメージがあったのですが、国道沿いを除けば夜は真っ暗で、懐中電灯を持って歩いている人もいるほど。
これまで行ったことのあるどの町とも違う、不思議な感覚でした。