オタクが歩く四国

四国八十八ヶ所歩いた記録です。構築中。

25日目(2/28) ガーデンタイム~長珍屋(前編)

朝起きて外を見てみると路面は濡れていますが雨は降っていない模様。
買い置きのドーナツで朝食にし、7時少し前に宿を出ると、外は深い霧。

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なかなかすごい光景です。
久万高原町は標高500メートル辺りにあって、「四国の軽井沢」とも呼ばれる冷涼な土地。
平年だと雪も多いところだそうですが、今年は少ない、と宿のお姉さん。
昨日間違えて歩いてしまった県道12号線を行きます。

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車通りはあまりないのですが、霧であまり先が見えないので少々おっかなくはあります。

大寶寺への分岐を過ぎると右手には久万美術館という美術館が。
久万高原は杉の名産地だそうで、それを利用した美術館としては珍しい木造建築なのだとか。
もともと高地ではありますが山の気配が濃くなってくると、土の遍路道が国道から分岐します。

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ここまでよくあったパターンの、緩い坂をつづら折りで高度を稼ぐ車道をショートカットするための道です。
途中からは完全に山道レベルの傾斜ですが、すぐ終わります。
車道に合流すると目の前には峠御堂(とうのみどう)トンネル。

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歩道がないので反射たすきを装備してトンネルを抜けます。
霧がないだけ、トンネル内のほうが視界が良いぐらいでした。
トンネルを抜けると、前方は霧一色。

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それだけ高いところで、見晴らしもよさそうですがとにかく今は何も見えません。
このトンネル出口で、大寶寺の境内から山を越えてくる遍路道が合流します。
山越えになるので、距離としてはだいぶ遠回りになる県道経由とあまり変わらないぐらい時間がかかると聞きました。
下りきると畑野川という町で、ここから次の札所へ向けての県道沿いには宿が点在します。
町を出るとまたも県道と分岐して山道へ。

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霧の山道を歩くのはなかなか風情があります。
そうして歩いていくと、難所である八丁坂の登り口。
ここから札所までの距離は2.5km程度なのですが、最初の600mで標高を150m上げるという、数字を見るだけでおっかなくなる道。
覚悟を決めて登り始めます。

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きつい坂でしたが20分かからない程度で登り切ると茶店跡の看板。
ここで右手から一本の山道が合流します。

一昨日の記事で触れた農祖峠から44番を通らずにやってくる道です。

ここからは傾斜こそさほどではないですが登ったり下ったりの山道。
少しずつ霧が晴れてきて、日が差す光景は美しかったです。

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最後は急な下り坂。
最初に見えてくるお堂は逼割(せりわり)行場という修行場のもの。

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すぐそばに二つの岩山があり、その間を梯子を使って上っていくというところだそうです。
危険が伴う場所なので鍵がかかっており、この鍵は札所の納経所で借りられるのだとか。
そこからさらに下っていき、9:44、四十五番札所岩屋寺に到着。

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岩が出っ張っている下にお堂があるという迫力のあるお寺です。
ちなみにこのお寺、山号を「海岸山」と称するのですがこんな山中では海などどこにもありません。
調べてみると、弘法大師が霧深い様子を海にたとえたのだとか。
納経を済ませ、今度は駐車場のほうへ。
ここからは久万高原町の町中を通る国道33号線まで打ち戻りのルートになりますが、八丁坂を下るのは怖いしまだ先は長いしということで、帰りは県道12号を歩くことにします。
県道12号は岩屋寺の前を通っていますが、県道沿いの駐車場から本堂までは延々上ること2~30分とされています。
ここだけはバスツアーであろうと歩かなければならない札所。
ここは印象の強かったお寺のひとつで、歩くだけのものは見られるのではと思いました。
下りなのでさっさか歩き、県道を久万の町中へ向けて進みます。
ちなみに県道を反対方向へ行くと景勝地、面河渓で、さらにその先には石鎚山。
石槌山もまた空海と関連の深いところですが、おいおい触れていくことになるかと。

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古岩屋トンネルというトンネルを通り過ぎると、古岩屋という景勝地だそうで、奇岩を横に見ながらの歩き。

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ここには国民宿舎古岩屋荘という宿があって、温泉のいいところだと聞きます。
車道なので歩きやすいはずなのですが、どうも足が空回りしている感触が。
昨日までの疲れが出ているのではと思いますが、それでも痛みがないだけよかったです。
畑野川の町が見えてくるともう霧はすっかり晴れていました。

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峠御堂トンネルへ向けて登っていくと、朝は見えなかった美しい山並みが。

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峠御堂トンネルを抜け、山道を下り、県道を進んで国道との合流地点近くまで戻ってくると、朝はまったく人がいなかったのに人混みができています。
ちょうどひな祭りのイベントをしていたらしく、商店街のあちこちに雛人形を並べるという趣向のイベントだと、後で見たローカルニュースでやっていました。
12:30少し前に国道に合流して少し行くと道の駅があり、ここで昼食にしようと思っていたのですが前述のイベントで道の駅も大混雑。
レストランだけでなく軽食コーナーも順番待ちができています。
幸い、すぐ近くにコンビニがあったので昼食はそちらで調達。
しかし食べる場所がありません。
袋を持ったまま国道を歩いて、久万高原からの脱出を図ります。

(後編へ続く)