オタクが歩く四国

四国八十八ヶ所歩いた記録です。構築中。

9日目(2/12) ペンションししくい~ロッジ室戸岬

朝食を振り替えてもらったおにぎりを朝食にして7:15頃出発。
化石漣痕をの前を通って国道に戻り、室戸に向かって歩き始めます。
国道に戻ってすぐ、長さ638mの水床(みとこ)トンネルを抜けたところが徳島高知の県境になります。

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07:36、高知県安芸郡東洋町に入りました。

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トンネルの辺りはちょっとした峠のようで、下り基調の道を進んでいくと橋の下に広がる甲浦(かんのうら)の町。

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阿佐海岸鉄道もここまでで、徳島から伸びてきたレールはここで途切れることになります。
ここの港はかつて大阪と土佐清水を結ぶ船の寄港地でしたが2001年に航路は休止となっています。
町並みが途切れると再び上りに転じ、トンネルを抜けて下って行くと現れるのが生見の町。
東洋町の役場があるところで、宍喰から1時間ほどの場所になります。

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その次が野根という町で、東洋町は甲浦町と野根町が合併してできた町だそうです。
野根には「東洋大師」と呼ばれる明徳寺という番外霊場があります。
室戸に向かっては国道55号線が伸びていて、今日もこれに沿っていくことになるわけですが、国道が開通するまでは街道が存在せず、24番札所を目指す遍路は海岸を通るか、半島の西側に当たる奈半利まで抜けて南下することになっていたといいます。
いずれにしても険しい道で、特に海岸ルートでは潮が満ちているときを避けるために潮待ちを兼ねた休憩をここ東洋大師でしたのだとか。
そんな休憩のことを「野根の昼寝」と呼んだそうな。
野根の遍路道は国道の一本裏手を通っていて、集落を抜けて野根川を渡ると国道に合流し、やがて民家もなくなります。

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ここからしばらくの間は、右手を山、左手を海に挟まれた道を延々歩くことになります。

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天気が良ければ広大な青い海を楽しめたのかもしれませんが、あいにく雲がでていて雄大ではあるものの色の美しさは楽しめません。
そしてこの辺りまで来ると幾つもの岬が折り重なった向こう側、遠くに室戸岬が望めるようになります。
とにかくやるべきことは歩くことだけなのでとてもシンプル。
今日は日和佐から区切り打ちをされているというお遍路さんと抜きつ抜かれつしながらの歩きです。
10:55、室戸市に突入。

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お昼すぎに佐喜浜の町に出ましたが、道標に従って国道を離れるのが近道のようです。
休憩できる場所はないかと国道を行ったのですが失敗でした。
集落の中心を通る遍路道と合流して少し行くと、堤防を歩けるところがあります。

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この辺で昼食にしようかと思ったのですが、港町らしく頭上にトンビがいます。
昔トンビに食べ物(油揚げではない)をかっさらわれたことがあって少々おっかないので先へ進むことにしました。
夫婦岩という奇岩を過ぎた辺りでちょうどいい段差があったので腰を下ろして昼食にします。

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昨日宍喰のセブン-イレブンで買っておいたジャムパンと、今朝のおにぎりと一緒に入れてくれていたお菓子が今日の昼食。
キロポストの数字がいつの間にか高知まで100kmを切っていました。
海沿いだけに景色は総じて良いのですが、いかんせん変化が小さく、キロポストの数字が減っていくのを目印に淡々と歩きます。
遍路の旅行記を見ていると、道中で遭遇した人の話がよく出てきますが、こうして道の話だけをしているとネタ不足になってしまうのかなと思いました。
それぐらい目立つ変化のない道のり、楽しいですが退屈と感じる人がいるのもわかります。

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幾度岬を回ったかわかりませんが、やがてこれまでと風情の異なる景色が見えてきました。
近づいていくと室戸海洋深層水の工場のようでした。

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少しずつ家が現れ始めて、今日の宿ロッジ室戸岬に到着。

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明日はようやく札所を打てますが、天気が荒れるという予報なのが心配なところ。