オタクが歩く四国

四国八十八ヶ所歩いた記録です。構築中。

5日目(2/8) 東横イン徳島駅眉山口~ふれあいの里さかもと

朝食付きのホテルなのでそれを食べて出発。
ありがたいことに6:30からでした。

7:20ごろチェックアウトして出発。
今日は月曜日とあって、通勤通学のラッシュアワーに入っています。
歩いていると徳島ラーメンの有名店、東大の本店がありました。

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昨日の夕食はコンビニ弁当だったし、もう徳島市を出てしまうので徳島ラーメンは宿題になりました。
国道438号線を南下していくとやがて県道136号に入り、牟岐線二軒屋駅を過ぎたあたりで県道とも別れ、生活道路をグネグネと進んでいきます。
やがてたどり着いたのが国道55号線。
ここ徳島市から室戸岬を経由し、高知市へ至る四国の大動脈のひとつで、これからは大体この道に沿って進んでいくことになります。

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このあたりの55号は片道3車線という立派な道路ですがそれでも渋滞が起きていて、考えてみれば道路のラッシュアワーというのは初めて目にしたかもしれません。

写真はラッシュアワーを抜けた後のものです。

次の札所の近くまではこの道を行くことになります。
いろいろ見ていて「退屈」と評されることが多かった印象の道ですが、天気も良く障害物となる信号も少ないため、気持ちよく足を進めることができて楽しい道でした。

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田園地帯とロードサイド型の店舗が並ぶエリアが交互に現れます。
8:45、小松島市に入ると、中田(ちゅうでん)駅近くで牟岐線をオーバークロスします。

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札所を目指すだけなら当分国道を行けばよいのですが、「弘法大師お杖の水」という霊跡があるとのことで、小松島警察署の手前で国道を離れます。

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国道に戻ると、室戸まで124kmという標識が。

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これからそこへ向かうのだと思うとクラクラして来ると同時にワクワクもしてきます。
やがて札所へ向けて国道を離れると、なにやら山の上に大きな像が建っています。

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わかりにくいですが写真中央の辺りです。
この像のほうへ向かっていくと、「源義経上陸の地」という碑がありました。
屋島に逃れた平家を追ってきた義経の軍勢が上陸した場所で、先ほどの像は義経の騎馬像なのだといいます。
像の下まで山道が延びているようではありましたが寄っている余裕はちょっとありません。
国道の一本裏のように延びている県道136号に出て少し行くと、そこからさらに札所のほうへ入る道が。
最後は軽く登って9:42、十八番札所恩山寺に到着。
仁王門が山道を行く徒歩用の道に向かって建っていて、そちらへ向かう分岐をうっかりスルーしてしまったため写真を撮り損ねました。
ここは弘法大師の母親である玉依御前にゆかりのある寺ということもあってか、山号を母養山と称しています。
植村旅館で一緒だったお遍路さんとも再会。
今日も同じ宿のようです。
納経を済ませて次の札所へ向かおうと来た道を戻っていくと、前方に二人組のお遍路さんが。
追いついてあいさつしたところでなんとなく会話が始まり、次の札所までは3人パーティとなりました。
聞けばそれぞれ一人で歩いていたところがなんとなく合流しているのだといいます。
この人たちも同じ宿だということで、今日は賑やかになりそうです。
引き続き県道136号線を行くルートで、なんとなく旧街道のような趣のある道。
おしゃべりがメインになってしまい、道筋を楽しむ、という感じではなかったですが、へんろ小屋やら花火工場を見つつ歩きを進めていきます。
十九番札所立江寺には11:40到着。

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一緒に歩いてきても札所内の行動はそれぞれバラバラ。
ザックだけまとめて置いておきます。
かつて不倫の挙句旦那を殺害したお京という女性が、不倫相手とともに四国に逃げてきて、ここ立江寺でお参りをしたときに髪の毛が逆立ち、鉦の緒(お堂の前にある鐘に下がっている綱のことかと思います)に髪が巻き付いて取れなくなったのだといいます。
お京が懺悔をすると頭皮がはがれて命だけは助かったのだとか。
そういう伝説もあって、悪いことをした人物はこの先の札所へ進むことができない、「関所寺」であるといわれています。
コンパクトですが風格のあるいいお堂です。
納経を済ませたところで今朝から会ったお遍路さん全員でちょうど食事タイム。


次の札所は13.1km先ですが、登山になります。
さらにその次の札所へも谷を越えて登ることになり、途中に宿がありません。
そのため、20番へは登り口まで前日に歩く、というのがポピュラーなようです。
今日の宿は全員同じですが、ペースはそれぞれになるので三々五々立江寺を出発します。
田園地帯の県道28号を行き、やがて前方の山にぶつかるとバイパスと合流してアップダウンのある道へ。
その先で県道22号に入ると勝浦町。
勝浦川沿いに出ると県道16号に入り、ここからが勝浦町の市街地のようです。

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こうやって書いているとずいぶん目まぐるしいですが、道しるべも充実しているので難しいところではありません。
道は少しずつ登っています。
やがて札所への案内看板が出てきて、県道との分岐になりますが、このまま県道を進みます。

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その先にあるのが道の駅ひなの里かつうら。
規模の大きなところで、自販機で水を買ってベンチを借りて一休み。
今日の宿はここからさらに県道を進んでいった先にあり、ここから送迎もしてもらえるとのことなのですが、せっかくなので歩くことにしました。
調べた感じだと同じ事をしている人がいたので大丈夫であろうと。
さらに県道を行き、勝浦川を渡るところにある、次の札所へのもう一つの登山口への分岐を確認し、徐々に山奥のほうへと向かっていきます。
この道が遍路的にイレギュラーなルートであるかというとそういうわけではありません。
四国には、八十八か所以外にも弘法大師の足跡が数多く残っており、そんな番外霊場と呼ばれる寺院の中から、別格二十霊場という寺院の集まりができました。
88+20=108で、人間の煩悩の数になると謳われています。
散り散りになっているのは八十八か所と同じで、遍路道沿いのところもあれば全く離れたところにある札所もあります。
今歩いているルートを行くと、別格三番札所である慈眼寺に至ります。
宿はそこよりも手前なのですが。
やがて県道を外れて集落の中を行くようになると道は急坂になります。
途中で宿の送迎車に抜かれつつ、それっぽい建物が見えてくると今日の宿、「ふれあいの里さかもと」に着きました。

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道の駅から徒歩2時間かからなかったぐらいでしょうか。
16:30少し前の時刻なのでさほど問題ではなさそうですが、山を背負っているだけに日暮れはだいぶ早かったです。
歩いていくなら平地の明るさの感覚だと危なそうな印象を持ちました。
「それっぽい建物」と書きましたがこの宿、かつての小学校の校舎を改造した宿なのです。
運営しているのも地元の方々だとか。
元小学校といっても内部は相当手が入っていてきれい。
大浴場も完備です。
そのうえ遍路道からの送迎もあるとあっては人気が出ないわけがなく、シーズンになると予約の取りにくい宿になるようです。
立江寺でお昼をご一緒した面々に加えてご夫婦で回られているというお遍路さんも加わって賑やかな夕食。
人数の多い食事は2日目以来ですが、そのころと比べると話せる体験もできてきて、そのうえこの先のことに詳しい経験者もいるとあって賑やかな食事に。
ごはんも大変おいしいものでした。
部屋に自由に書き込めるノートがあって食後眺めていると、この小学校の卒業生や教員だったという人の書き込みが。
思わずウルウルときてしまいました。
高知県に入ってからの宿の検討などしつつ就寝。