オタクが歩く四国

四国八十八ヶ所歩いた記録です。構築中。

続・装備品の話

装備の次は道具の話です。

地図

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「四国遍路ひとり歩き同行二人」という、歩き遍路のための地図がへんろみち保存協力会から出版されています。

へんろみち保存協力会


ただこれは市販品ではなく、それが証拠にISBNがついていません。
遍路用品を扱う店や一部の札所で購入できます。
「解説編」と「地図編」に分かれていて、「解説編」は遍路のしきたりや持ち物、番外霊場を含む寺院の解説が掲載されたもので、「地図編」は名前の通り地図の冊子です。
解説編については修行としての遍路にかなりの重きを置いていて、歩くことそのものについてのここにしかない情報というのはほとんどありません。
読み物としての価値は人それぞれですが、少なくとも荷物に含める必要はないと思います。
重要なのは地図編のほうで、札所間の地図に遍路道のルートや距離が書き込まれているほか、道沿いの宿のリストが掲載されています。
道中は道しるべが充実しているので、歩きながら地図を取り出す場面は現在地確認を除けば意外と少なかったですが、ひとたび順路を外れてしまうと当然ながら道しるべはなくなってしまうのでそういった場面ではとても役に立ちました。
これとスマートフォンの地図アプリとを組み合わせて使うとたいそう便利でした。
尚、四国の地図情報を持ち歩きできるレベルまで削っているため、普通の道路地図と違って方角や縮尺がページによってバラバラという少々クセのあるものになっています*1
方角のほうは慣れてくるとすんなり読み取れるようになります。
縮尺のおかげで結構歩いたはずなのに地図上ではまるで進んでない、という場面もありますがこれはそういうものとして納得するほかありません。
道がわかっているなら札所にせよ宿にせよ歩いていればいつかは着きます。

私が使ったのは2015/08/02発行の第10版7刷です。

現在は第11版が出ている模様。

携帯電話

現代の遍路においては必須アイテムでしょう。
主に宿との連絡に使います。
宿というとネット予約、という感覚があるのは私だけではないと思いますが、民宿が多いということと、当日に連絡を入れることが多いという遍路特有の事情もあってか予約も含め電話でのやり取りが基本になります。
私は数日分先の宿を確保しながら進むスタイルをとっていました。
こちらから連絡するだけではなく、宿から連絡がくる場合もあります。
また、冊子の地図はそれだけでは現在地がわからないという弱点があり、そこを地図アプリがいい具合に補ってくれました。
ただし、電波状況の悪い区間も少なからずあった*2ので過信は禁物。

モバイルバッテリー

携帯電話は圏外になると電波をつかみに行くためバッテリー消費が激しくなるというのはガラケー時代から言われているところですが、スマートフォンだとこの傾向はより強くなるようです。
宿を出てからまったく触ってないのに休憩時に携帯を取り出すとバッテリーがごっそり減っているという場面に何度か遭遇し、バッテリーがへたってしまったのかと心配になりましたがそういうことではありませんでした。
そういうときの強い味方がモバイルバッテリー。
必須とは言わないですが、多少の重量を考えてもあって困るアイテムではないと思います。

コインケース

お賽銭を本堂と大師堂それぞれに納めることになるので、176回分必要になります。
毎回財布から出しているといざというとき小銭がない、という事態になりそうだと感じたので10円硬貨を事前に100枚用意しておきました。
また、納経料金も札所ごとに300円かかりますが、大きな紙幣は嫌がられるところもあるということで、100円硬貨も100枚用意。
これらは銀行の両替機を使えば簡単に両替できます。
事前に用意した分以外は道中で買い物をしたお釣りを随時コインケースに補充、という感じにしていました。
硬貨はまとまった数量になると結構重いのでキャパシティと相談して用意するのがよいのではと思います。
100円硬貨はストックしておくとコインランドリーを使う場合などにも重宝します。

コンパス

前述のとおり、同行二人の地図は必ずしも北が上になっていません。
見方を間違えると変な方向に進んでしまうので必要であろうと持っていきましたが、道しるべが充実していたのと慣れてくると地図の向きと進行方向を照らし合わせるのは難しいことではなくなってくるので地図を見るのにコンパスを使う場面はありませんでした。
使ったのは宿で北枕を避けるために北がどの向きなのかを調べた時ぐらいでしょうか。
念のために持っておくのは悪いことではないと思います。

ヘッドランプ

そもそも暗い時間帯に歩くことを避けるのが基本ではありますが、それでも暗い中を歩く場面が出てこないとは限らないということから、持っていきました。
結果的には使わずに済んだのでよかったです。
一歩街中を出ると国道沿いでも街灯がないところはザラにあるので念のためであっても持っていたほうがいい装備だとは思います。

キャッシュカード

ATMの台数からゆうちょ銀行最強とは言われますが、手数料さえ飲めば他行のカードでも使える場合があるので、ゆうちょ銀行のATMが使えるキャッシュカードがあればいいのではと。

まるまる一月程度毎日宿泊費がかかる生活であるので、手数料は誤差の範囲ではないかと思います。

コンビニは道中たくさんありますが決まったチェーンのものを狙うというのは不可能だと思ったほうがいいです。

前置きはここまで。

本題に入るまで随分余計なことを書いてきましたが、次の記事からが実際の行程の話です。

*1:見開きを縦に3分割しているようなケースもあるので正確には地図によって異なるというほうがいいのかもしれません。

*2:少なくともauでは