オタクが歩く四国

四国八十八ヶ所歩いた記録です。構築中。

33日目(3/7) 本大ビジネスホテル~ホテルアルファーワン丸亀

6:10ごろ宿を出発。
早朝の国道11号線を歩いていきます。
財田川を渡って三豊市に入るところまでは昨日来た道を引き返すだけで、そこからが本格的な今日のコース。
それなりに明るくはなっているのですが、霧が出ています。

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ひたすら国道を行き、旧高瀬町の地域に入ると国道から外れるように道標が出ています。

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ここからずっと国道の一本裏側を行くのが正しいようなのですが、気が付くと元の国道に。

三豊市役所を眺めて進み、途中で国道を離れて遍路道に復帰しました。

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このまま国道を進んで合流することもできるようですが、ちょっと遠回りになります。
国道の一本裏ということで抜け道になっているのか細い割に交通量が多いところ。
やがて旧三野町へと入っていきます。
予讃線に「みの」というひらがなの駅があって不思議に思っていましたが、三野町に由来するものなのかと一人合点。
やがて道は登り基調に。
道の駅ふれあいパークみのを過ぎると71番札所の駐車場。

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ですがこのお寺はここからが本番で、長い上りが始まります。
車で来た人は駐車場で車を降り、中腹まで連れて行ってくれるバスに乗り換えるようです。

それを横目に歩いて行くと、72番方面への分岐点。
ここまでは後で戻ってくることになります。
71番のほうへ向かうと俳句茶屋という茶屋があって、歩き遍路的には名所なのだとか。

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いかんせん時間が早く、立ち寄ることはできませんでしたが。
茶屋を過ぎると石段で、途中に山門。

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七十一番札所弥谷寺(いやだにじ)です。
8:29に通過。
山門の石段を登り切ると今度は百八階段という朱塗りの石段。
それを登り切ったところが大師堂で、本堂へはさらに階段を登ります。
崖にひっつくようにして立っているお寺で、その崖には磨崖仏が。
とても雰囲気のあるお寺なのですが、団体のお遍路さんが入れ代わり立ち代わり現れて雰囲気を堪能している場合ではなさそう。
大師堂は靴を脱いで上がります。
団体の横で読経を済ませると、更に奥の方へ続く道があります。
なんとなく行ってみると、ここは弥谷寺の奥の院である獅子の岩屋。
空海はここ弥谷寺で学問に励んだとされ、ここはその当時から存在していた洞窟なのだとか。
ここにも仏像が建立されていて、ライトアップ、というと随分俗っぽいですが光が当てられていました。
その光景がなんとも強烈で、よくわからないですが涙が出てくるほど。
八十八ヶ所で神秘体験をしたという記録も散見されますが、私にとっての神秘体験はここだったのかもしれません。
不思議な余韻を残しながら来た道を戻り、72番方面への分岐に入ります。
土の道ですがアップダウンはさほどありません。

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やがて車道に出ると高松自動車道の下をくぐり、国道11号線を渡ります。

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その先でぶつかるT字路が、72番と73番の分岐点。
ここから見ると74番札所は72番札所の向こうにあって、73番は72番とは反対側、我拝師山という山の麓にあるお寺。

下手っぴが図にするとこんな感じ。

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そんな位置関係のため、73→72→74と行くのが効率的ではあって、順打ちにおいては順番は重要視されないのでそのように行くのもありかなとは思ったのですが、ここまですべての札所を順番通りに打っているということを考え、非効率ではありますがまずは72番へ向けて坂を下ります。
分岐点からはすぐで、9:55に七十二番札所曼荼羅寺に到着。

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参拝を済ませて次の札所へ。
途中までは来た道を戻り、さらに登っていきます。
ずいぶん細い道ですが札所へ至る道がこれしかなく、でかいサイズの観光バスもガンガン通過していくおっかないところ。
スピードが出せないのがせめてもの救いでしょうか。
10:22、七十三番札所出釈迦寺に到着。

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我拝師山の中腹に開かれたお寺だけあって境内は決して広くありません。
そんな中に団体のお遍路さんが数団体来てしまったものだからさあ大変。
境内が人で埋まっていてとても落ち着いて読経する雰囲気ではありません。
灯明台も埋まってしまっていて、ろうそくを上げることができませんでした。

 

ここ出釈迦寺の奥の院は我拝師山の上にあり、捨身ヶ嶽禅定と言われます。
空海幼少の頃、仏の教えを広めるという願いがかなわぬのならその身を諸仏に捧げると崖から身を投げたとか。
天女に身を救われ、その願いが叶うことを知ったという伝説が残るところです。
ここ我拝師山は讃岐平野の端にあって、出釈迦寺の石段からは讃岐平野がよく見えます。

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曼荼羅寺まで降りて行き、その先はいつもの住宅街の中をグネグネ曲がるコース。
ここはすでに善通寺市です。

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やがて前方に平野に生えたかのうような山が現れ、その麓をぐるりと回って11:16、七十四番札所甲山寺(こうやまじ)に到着。

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朝から団体に遭遇しない札所がありません。
シーズンに入ったことと、今年は閏年で逆打ちのご利益が高いとされることからバスツアーも88番から回っているのでしょう。
広い休憩所があったのでここで一息。
すると忘れ物らしき携帯電話が転がっています。
納経所に預けてきましたが無事持ち主のところへ帰っているでしょうか。
ここに来るまでに見えていた山ですが、反対側は建築資材を得られるのか盛大に削られています。

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そのうち山自体が消滅するのではという気持ちすらしてくるところ。
テーブルマークの工場脇を通り、住宅街の中を行って県道48号線を渡ると細い道に。
堅パンの有名な熊岡菓子店があり、ちょっとお買い物。

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その先にあるのが七十五番札所善通寺で、12:14の到着。

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空海生誕の地とされる*1ところで、さすがに境内がでかい。
ここまで歩いてきた道を挟んで東院、西院と分けられています。
東院に本堂にあたる金堂、西院に大師堂に当たる御影堂があり、来た道から見ると左が東院、右が西院です。
納経所が西院にあるため、東院を先に参るのが良さそう。
次の札所への道は東院側にあってますますややこしいです。
東院は空間が広く、公園のような雰囲気でした。

赤門筋という門前町を進み、やがて左手に現れる道標に従ってまた細い道へ。

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高知県の窪川以来となる土讃線との再会ですが、高知の土讃線と決定的に違うことが一つあって、この区間の土讃線は電化されています。
善通寺駅のもう一つ高知寄りは琴平で、金刀比羅宮つまりこんぴらさんの最寄り駅。
この辺りまでが高松の都市圏ということになるのでしょう。
高松自動車道の善通寺インター近くで道路をくぐり、住宅街を進むと七十六番札所、金倉寺(こんぞうじ)。

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13:30の到着と、まずまずの良い時間。
この近くに金蔵寺駅という、同音異字の駅があって、それを思い出した時にうどんの名店が近くにあることを同時に思い出したのです。
その名店「長田in香の香」はまさに金倉寺の裏という位置にありました。

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10年ぐらい前に来て以来すっかりご無沙汰ですが、「釜揚げとはこんなにうまいものなのか」と衝撃を受けた店で、近くまで行くのに立ち寄らない手はないと、ここでお昼ごはんにするために時間を調整してきたのでした。
メニューは釜揚げと冷やしのみで、あとは大きさが選べます。
歩いているのだからと釜揚げと冷やし両方行ってみました。

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釜揚げはあの時受けた衝撃を思い出させる味、冷やしは冷やしで今日の温かい天気にピッタリの味わいでした。
元気になったところで今日最後の札所を目指して歩きます。
ここからは田園地帯。

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やがて家並みの中へと入って行くと、途中でおじさんに呼び止められ、お地蔵さんの形をした焼き物を頂きました。
歩いているお遍路さんにお接待しているのだとか。
菅直人元首相にも渡したのだと言っておられました。
政治的なあれこれはともかく、かの人物がお遍路をやったことは事実のようで、これまでにもサインを飾ってある宿があったりしました。
遍路界隈ではアイドルというかなんというか、そういう扱いのようです。
ここまで来ると札所はもうすぐで、七十七番道隆寺には15:04の到着。

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すでに団体は動かない時間なのか、気配もなく、ゆっくりとした雰囲気のお寺でした。
ゆっくりした感じに当てられてしばし休憩。
今日の宿は丸亀市内にとってあり、あとはひたすら歩くだけ。
讃岐塩屋駅の近くで県道21号線に入り、少しずつ市街地の気配がしてきます。

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丸亀駅併設のパン屋でパンを買い、宿入り。
札所からは1時間かからないぐらいの距離でした。
昨日のはアパート改装タイプでしたが今日のは本格的なビジネスホテル。
丸亀市といえば別名骨付鳥市。
うどんに次ぐ(?)香川名物である骨付鳥の一鶴の本店があるところですが、あれは完全に居酒屋メニューです。
泣く泣くコンビニ飯と相成ったのでした。
地図を眺めていると、どうも明日はかなりきつい行程を組んでしまった模様。
これはだいぶ気合を入れて望む必要がありそうです。

*1:諸説あり