オタクが歩く四国

四国八十八ヶ所歩いた記録です。構築中。

31日目(3/5) 蔦の家~民宿岡田

6:30ごろ宿の食堂へ行くと、昨晩のうちに用意していただいていたおにぎりとインスタント味噌汁が置いてありました。
おにぎりも抜かりない美味しさで、そのうえメッセージカードまでついていてとてもありがたい宿だなあと思いながら7:00過ぎに出発します。

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今日は愛媛県最後の札所となる65番を打ち、難所である66番へのアプローチにかかる予定。
まずは宿の前を通る旧街道を進み、国道11号にぶつかったところからは国道を行くつもりでした。
ところが、一昨日横峰で出会って同宿だったお遍路さんと遭遇。
昨日も前神寺まではほとんど同じペースで歩いていたのですが、どうやら土居にあるもう一軒の宿に泊ったようでした。
そのお遍路さんが言うにはあまり良くない宿だったとか。
国道を行こうが旧道を行こうが距離そのものはほとんど変わらないので別に問題はないのですが、私は休憩が少ない代わりにスピードが遅いという歩き方になっているようで、同行する人がいると速度を意識して上げなければならずいささか大変。

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旧街道沿いには建物が文化財になっている酒造*1などもあっていい道ではあるのですが、同行者がいると話すほうがメインになってしまいがちで写真もあまり撮れませんでした。
軽く2時間以上同行していましたが、途中のコンビニで補給をしたところで私が先行して出発することに。
難所である66番は全札所中最も標高の高いところにあるお寺ですが、65番も500メートルぐらいとなかなかの標高で、伊予三島の辺りから一度65番への登りに入ると67番を過ぎるまで商店の類はありません。
自販機はあるので飲料は補充できますし、室戸の辺りに比べれば条件としてそこまでシビアでない気はしますが、それでも多少の覚悟は必要なところです。
ちょうど登り口の近くにコンビニがあるのはとてもありがたいもの。
松山自動車道の下をくぐると、宥辯真念ゆかりの道標があります。

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その辺りが登り始めになり、銅山川発電所の前を通り、疎水記念公園という公園を越えると道はぐんぐんと登っていきます。

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後ろを振り返ると伊予三島の街が。

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ここは製紙業の盛んなところだそうで、製紙工場特有の大きな煙突が見えます。
だいぶガスってしまっているのが残念。
やがて舗装が途切れ完全に山道に入っていきます。

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気がつけば舗装道路に合流する地点に。
それなりに時間をかけて歩いてきたはずですがもっと歩いていたかったと感じて、山道を楽しんでいたことに気づいて自分でびっくりしました。
あれほど山道を避けてきたのに、不思議なものです。
舗装路に合流すると札所まではすぐですが、駐車場から山門へは急な石段があってそれを登り切り11:10、六十五番札所三角寺に到着。

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愛媛県に入って11日目、日数にすると高知県より2日少ないだけのはずなのにあっという間で、さらに楽しかった印象ばかりが残っています。
休憩をとって石段を恐る恐る下り、ここへ来る途中で見た次の札所への標識へ向かって左に歩き始めます。
すると駐車場にいたおばあさんが「そっちじゃないで」と。
他の方の記録を見ると同じ間違いをしている方もちょくちょくいるようですが、標識は車用のもので、これに従ってしまうとけっこうな遠回りを強いられる模様。
石段を降りたら右に行くのが正しい道です。
狭い割に車が時々通るのであまり安心して歩けないのが難点ではありますがこれはなかなかいい道。

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65番から66番への道中には別格霊場の13,14番があり、特に14番の常福寺、通称椿堂は遍路道沿いになります。

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66番へ真っ直ぐ登る道ならいいのにと思いながら少しずつ高度を下げていき、途中の休憩所で先ほどのコンビニで買っておいたおにぎりで昼食休憩。
今日の宿まではそれほど距離もないので、あとは自分のペースで歩くだけ。

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その先も高度を下げながら進み、椿堂を過ぎると国道192号に出て、ここからは一旦登りです。

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66番へのルートは「同行二人」の地図曰く3通りあって、そのうちの一つへの分岐をスルーして引き続き国道を進むと本格的に山の中の雰囲気。
一部途切れてはいますが歩道はあるので比較的歩きやすい道です。
やがて見えてきたのが境目トンネル。

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ここが愛媛県とのお別れの地点。

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トンネルを抜けると徳島県に入ります。
「香川じゃねーのか」というのはごもっともですが、66番は住所としては徳島県で、香川県へは66番札所という難所を越えてようやく入ることが許されるということのよう。
ほとんど県境の位置のためか、讃岐国である涅槃の道場の札所に数えられています。
66番は標高900メートルという山の上の札所で、前後の区間に宿がありません。
そのため、登る際には境目トンネルを抜け、その先の登り口近くにある唯一の宿、民宿岡田に泊まるというのが一般的なようです。
ここは立地も評判も良い宿ということでシーズンになると予約の取りにくいところだそう。
私が予約した時も、「狭い部屋になるかもしれないが良いか」と聞かれました。
すでに3月、遍路としてはシーズンに入っています。
ここが取れなかった場合、比較的近くにある民宿が登り口まで送迎をしてくれるそうなのでそこに泊まるのが第二案になるようですが、伊予三島に泊まって66番から下った先にある宿に泊まるというのも実現は可能なようです。
道は下り坂。

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遍路道の道標に民宿岡田への案内もくっついているので安心です。

15:30前には宿入り。
なるほど同宿のお遍路さんがたくさんいます。
一昨日の小松とここが全工程の中でも特に混んでいた宿でした。
夕食の時間は米寿になるというご主人の名調子による明日のルート解説。
なるほど人気のあるわけです。
県境近くでしたがテレビのチャンネルはやはり徳島準拠でした。

*1:酒造自体は既に廃業されているようです