オタクが歩く四国

四国八十八ヶ所歩いた記録です。構築中。

24日目(2/27) オオズプラザホテル~ガーデンタイム(後編)

(前編より)

 

おなかがすいてきたので、峠の登り口手前にある休憩所で持ち歩いているパンをかじって昼食かなと思っていたころ、突然うどん屋が現れました。

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餅などを作っている工場の横で営業しているお店で、工場直売のようなものなのでしょう。
渡りに船とばかりにお店に入ります。
内子産という豚肉を使った肉うどんに、天ぷらとおにぎりをつけて、パンをかじる予定から一転豪華な昼食に化けました。

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このうどんが美味しかった。
シチュエーションもあるのでしょうが、四国で食べたものの中でも特に美味しかった印象の強いものです。
なみへいうどんという店で、内子の町中にも店があるらしいので、いずれ行こうと決意しました。
おなかも満たされて峠越えのエネルギーチャージは十分、さすがにおとといからの無茶で軽快な足取りとは行かないですが、それでも44番札所を打っておくためにと少し早めに足を動かします。
落合トンネルというトンネルを抜け、砥部町との境界にあるのが峠越えへの入り口。
ここからしばらくは県道42号線になります。

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44番まで16.6kmという道しるべを通ったのが12:55のこと。

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札所の納経所は17:00までなので、峠2つを含めた道をあと4時間で歩き切らねばなりません。
と思っていると、1分もいかないうちに44番まで13.4kmという標識が。

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こちらの標識には鴇田峠経由と明記してあるので、きっとこっちが正しいのだろうと解釈します。
たしかにダラダラと登っていく道で、時折集落を通るのですが、歩いていくにしたがって廃屋が目に付くようになります。

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歩きと車道が別々の方向に案内されている道しるべを過ぎると、いよいよ山道が現れます。
舗装の上に土をかぶせたような雰囲気のところで、旧県道ということなのかもしれません。

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完全な山道の区間は意外と短いですが、その区間で一気に高度を上げるのできついのは確か。
上のほうにガードレールが見えてきて、そこまで上がると一つ目、標高570mの下坂場峠。

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14:22に通過。
除雪された後なのか、少しだけ道の横に雪が残っていました。
それほど寒くはないのですが。
ここで久万高原町に入ります。
集落のあるところまで降りてくると、「鴇田峠通行止め」という看板の上に「解除中」というのが貼られています。

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大丈夫か?と思いながら家並みが途切れてまた登りとなる地点まで行くと、「山側崩落の恐れあり通行注意」という旨の看板。

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心配になってきましたが通れないとは書いていません。
危険のある区間の前後にはランプが置いてあり、これが点滅しているときは通行禁止とのこと。

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どういう仕組みなのかはわかりませんが、崩落の危険が出てくると点滅するようです。
実際崩落してもおかしくないようなところをおっかなびっくり通り抜け、別荘地のようなところを入っていきます。
やがて完全に山道になりますが、治山工事の真っ最中なのかそこらじゅうが掘り返され、道がわかりにくくなっています。

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15:26、鴇田峠通過。
標高約800mだそうです。
この地点の看板では鴇田は「ひわだ」と振り仮名がしてあります。
気になるのはそこではなく、峠の字をどう読むかなのですが。
久万高原へ至る峠は「~とうげ」ではなく「~のとう」と読むのが正しいというひともあるようで、その読み方に従うならここは「ひわだのとう」ということになります。
久万高原町役場まで2.8kmとあり、役場まで出れば札所までは地図を見る限りは平地。
ここからはひたすら下る山道で、途中一回盛大にすっころびましたが各種装備も含め無事だったのでよかったです。
やがて町の風景が見えてきました。

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家のあるところまで降りてくると、鴇田峠通行止めの看板が出ています。

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順打ちのルートだと鴇田峠が通行止めであっても、少し遠回りになることを飲めば農祖峠への道に出ることができますが、こちらからだと峠を越えてから通行止め個所にぶつかるので戻らなければならない上にそれが峠越えという笑えない状態になります。
これはある種の親切心なのかもしれません。
久万高原町の中心部を貫く国道33号線を渡ってまっすぐ進めば札所だったのですが、何を思ったのか車道ルートである県道12号方面へ向かってしまいました。

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ちょっと時間をロスしたうえ、歩いていると雨が降り出しました。
札所に着いたら雨具を出すようかなと思いながら、県道から標識に従って札所への道に入っていきます。
参道へ入ると立派な杉の木立が出迎えてくれます。

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木々が防いでくれるおかげで雨が少し弱まって感じられます。
歩き用の参道側に山門があり、16:31、四十四番札所大寶寺に到着。

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思ったほどぎりぎりにならず良かったです。
納経を済ませると雨脚が弱くなっていました。
とりあえず雨具はいいか、と宿へ向かいます。
44といえば88の半分で、これで全体の半分の札所を打ったことになります。
その割に感慨がわいてこないのは、愛媛県に入ってすでに4日、距離ベースでは半分をとうに超えている体感が得られているからかもしれません。
今日の宿ガーデンタイムはプチホテルの名前の通りユニットバスの部屋でした。
個人的にはユニットバスは結構歓迎で、トイレに行くのに部屋を出なくていいのは色々ありがたいです。
飲食店が本業なのか、レストランで地元の方に交じっての夕食。
量もたっぷり、味もよかったです。
昨日苦労して進んだことによって、今日札所を打つことができました。
このおかげで明日は少し楽になりそうです。
それでもゆっくりはできない行程で、明日の朝食はなしになりました。