オタクが歩く四国

四国八十八ヶ所歩いた記録です。構築中。

20日目(2/23) 民宿いさりび~鶴の家旅館

気が付けば歩き始めて20日目。
全行程40~45日ぐらいが平均と言われているので日程ベースで大体半分、距離としても今日歩くところが中間地点になるようです。
朝から立派な鯖の半身が出るという豪華な朝食を終え、7:15頃出発。
雲行きは怪しいですが今のところ雨は降っていません。
昨日、金剛福寺からのルートが2通りあると書きましたが、三原村経由のルートはさらに2通りに分かれます。
一つは下ノ加江川を上っていく県道21号線経由、もう一つは一昨日通った伊豆田トンネルの出口付近まで戻り、県道346号線を行くもの。
346号線経由のルートは真念庵という番外札所を通るルートになります。
江戸時代、「四国遍路道指南」という遍路のガイド本を記した宥弁真念という人物に因むところだそう。
正確を期すならば真念庵は岩本寺から金剛福寺への道中にあるもので、伊豆田トンネルを通らずに峠越えをすると真念庵の付近に出るようではあります。
346号経由は打ち戻りとなる距離が長いことと、車道ではありますが途中に峠があるという噂を聞いていたので21号経由で歩くことにします。
しばらくは国道321号を行きますが、さすがに平日の通勤時間帯、車通りが多いです。
中村方面へ向かうバスは高校生を満載していました。
歩道がない中を歩くので少々おっかなく思いながら、国道が下ノ加江川を渡る手前で国道と別れ、県道に入ります。

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家並みが途切れると景色は一気に山の中。

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序盤こそ新しく作られた幅の広い道でしたが、やがて木立の中を通る細い道に切り替わります。

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これまた山肌に沿って作られた道でカーブまたカーブ、進んでいるのかいないのかわからなくなってきます。
9:35、三原村に入りました。

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土佐といえば酒どころですが、ここ三原村はどぶろくが名産品なのだといいます。
村内には自家製のどぶろくが飲める宿もあるようですが、今回は三原村は通り抜けてしまいますし、なにより禁酒中の身。
集落が出てくると道幅が広くなって歩道も出現しますが、集落を過ぎるともとの狭い道になるというのを何度か繰り返します。
かなり長いことトイレがなかったのは少々難儀しました。

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同中には学校の跡や謎の洞窟、猫の爪痕石という奇岩があったりして、アップダウンが少ないというのも相まって歩いていて楽しい道です。
役場の付近を通り過ぎると道は下り基調に。
その先の遍路小屋らしきところで昼食休憩にします。
思えば今日は朝からまったく座らずに歩いてきました。
気が付けば時刻は13時すぎ。
宿で持たせていただいた焼きおにぎりが今日の昼食で、しょうゆの香りが立っていてまさに絶品でした。
だいぶゆっくり休憩して出発し、13:44、高知県最後の市町村となる宿毛市に入ります。

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中筋川ダムというダムを見ながらの道で、この辺で初日からちょくちょく遭遇したお遍路さんに追いつかれ、札所までは抜きつ抜かれつになります。

そしてこれがこのお遍路さんと会う最後の機会で、翌日以降出会うことはありませんでした。

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やがて地平のレベルまで降りてきたようで、周囲の景色が変わります。
途中の小学校には「ダルマ夕日」の絵が飾ってありました。

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あれは何日目だったか、徳島県の日和佐で「ダルマ朝日」というのがありましたが、宿毛は西側が海という土地、海に日が沈むところです。
横断したのだなあと感慨深いものがこみ上げてきました。
やがて前方を横切る高架の線路が。
土佐くろしお鉄道宿毛線のものです。

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写真がだいぶブレてしまっておりますがご容赦下さい。

数日前並走していたのは中村までの中村線で、中村から宿毛まで伸びているのが宿毛線になります。
今歩いている県道21号線と交差する地点に平田という駅があり、線路を過ぎると久しぶりの国道56号。
1kmほど行ったところでいったん国道から離れ、細い道を道しるべに従って歩きます。

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この辺もあちこちで曲がるのでちょっと難しい道でした。
15:23、三十九番札所延光寺に到着。

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長く、つらい思いもたくさんしてきた土佐の国もいよいよこれで打ち終わりです。
さて、今日の宿はさっき通り過ぎた平田駅の近くで、2kmほど打ち戻りすることになります。
その分先に進めるような時間で、宿毛市街で泊まってもよかったかもと思いましたがその辺は後の祭りというもの。
無事納経を終え、国道へ出る道を歩いていると早くも愛媛県のホテルやら旅館やらの看板が出てきました。

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(念のため一部加工しています)
なんというかうまいところに設置しているなあと思わずにはいられませんでした。
今日の宿鶴の家旅館は十分な設備。
逆打ちで回っているというお遍路さんが同宿でした。
とにかく話好きそうな方で、この先の行程についてのアドバイスやらをいろいろいただきました。
この先しばらくは自分でも少々きつめかなという行程でしたが、「健脚やなあ」とは言われましたが無理だとは言われなかったのでたぶん大丈夫でしょう。
高知県最後の夜は楽しいものとなりました。