オタクが歩く四国

四国八十八ヶ所歩いた記録です。構築中。

35日目(3/9) 東横イン高松中新町~ながお路(後編)

(前編より)

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85番への登り口になる鳥居の横にはケーブルカーの駅があって、乗り物でのアクセスはこれを使います。

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さっきの屋島にもかつてはケーブルカーがあったのですが、こちらはあえなく廃線になってしまい、今は頂上付近まで車道が通っているようです。
歩きの道は鳥居をくぐり、門前町を抜けながら登って行くと、やがて家並みも途切れ、完全に山道に。

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途中からは車道を外れ、土の道を行きますがこれがすごくいい道。

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道幅は狭いし地面は濡れているしでおっかないのですが、杖の力を借りてじっくりじっくり登る感触はとても良いものでした。
三角寺に次ぐ楽しい山道でしたが、あっという間に終わってしまい、11:52、八十五番札所八栗寺に到着。

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鳥居があって山門があるという変わったお寺ですが、鳥居は歓喜天を祀ったことに由来するもののようです。
歓喜天を祀った聖天堂は本堂にも引けをとらない立派さでしたが、ここで団体がぞろぞろと来てこれまた落ち着きをなくす境内。
納経所も大わらわのようでしたが、「個人の方先にどうぞ」と言ってくださり、お言葉に甘える事に。
ケーブルの山上駅方面に向かい、次の札所への下山道に出ます。

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とは言っても舗装されている普通の車道なので歩きにくいということはありません。
こちらには駐車場はないようなので、八栗寺に車で行くにはケーブル必須という事には変わりなさそうです。
降りた先ではこれまたひとんちの裏側を行くような細い路地。

そこで逆打ちのお遍路さんとすれ違いました。

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「明日結願ですか」と言われ、そういえばそういうところまで来たのだなあと、ようやく実感を伴ってきた気がします。
ここ数日「あと何日で終わり」というのが頭のなかをめぐってはいましたが、あまり現実感のない感覚でした。
こうして歩いているとまだ信じがたいのですが、考えてみれば明後日の夕方には四国を離れることになっています。
ことでんの塩屋駅前でまたも線路を渡り、国道11号線と合流。

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ちょっと行った先に道の駅源平の里むれがあって、休憩にしようかと思っていたのですが、もはや全身ずぶ濡れでとても店に入れる状態ではありませんでした。
保存車両らしきものが見えたのでそれだけ眺めてトイレを借りて引き続き歩きます。

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その先、右手にはJR高徳線、左手にはことでん志度線という道。

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そうこうしているうちに13:40、さぬき市に入りました。

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86~88番までの札所はすべてさぬき市内、順打ちなら八十八箇所最後の市町村ということになります。
JR志度駅のそばで国道と別れ、琴電志度駅を横に見ながら志度の町中へ。

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琴電志度駅の催物案内がなぜかこれ。

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あずまやがあったので休ませてもらうことにし、昨日の残りのドーナツを昼食代わりにします。
その先、道案内に従って行くと八十六番札所志渡寺で、14:10ごろの到着。
裏側から入ってしまったようです。
さらに山門の写真を忘れるという体たらく。
雨のせいかずいぶん荒れた印象を持ちましたが、山門や本堂が重要文化財に指定されていて、補修も簡単にはできないのだとか。
納経所にそういった解説がありました。
残すところあと2か寺。
今日は87番を打って、門前の宿に泊まることになっています。
高徳線の線路を渡り、道は若干登り基調。

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高松自動車道に接続する高松東道路の下をくぐると、左手山の上に並ぶ住宅街はJR四国が開発したオレンジタウン。

「ORANGE TOWN」というサインがあるといろいろな記録にあったのですが、サインの前に家が建っていて正面からは全容は見えずでした。

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オレンジタウンの最寄りとなるオレンジタウン駅は全国でも珍しいカタカナだけの駅名。
志度から歩いている県道3号線から県道37号線への分岐手前にある川沿いを歩いて行くのが遍路道のようですが、ここでは県道3号を行くことにします。

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以前、ことでん長尾線に乗った時、終点の長尾駅から高徳線の造田駅まで歩いて抜けたことがあって、その時に歩いたのがこの3号線でした。
その時のことを思い出しながら歩くのも一興と思ったのです。

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見覚えのあるどじょううどんの店などを眺めながら確かにここを歩いたことがあると実感しながら進み、これまた見覚えのあるスーパーを過ぎると長尾の町。
入口になる道が細いのでちょっと行き過ぎてしまいましたが無事復帰して16:07、八十七番札所長尾寺に到着。

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境内は広いですが人気はなく、雨のせいもあってか余計に寂しい印象を受けます。
団体が来れば賑やかなのだろうとは思いますが。
ここは静御前ゆかりの地で、静御前が剃髪した髪が納められた剃髪塚というのがあったりもします。
今日の宿ながお路はほんとに門の目の前。
設備は綺麗だしご飯もおいしく良い宿でした。
これで雨に降られたのは3回目となりますが、一日中降っていたのはこれが初めてで、それだけに被害も甚大。
濡れた荷物の処理に追われつつの一夜となりました。